ドラマ『最高の教師 ~1年後、私は生徒に■された~』各話の感想・レビューと採点
各話の感想・レビューと採点
1話:感想・レビュー
- 3.4
- 7/15放送分
卒業式の日に生徒に■される回。まさかのタイムリープもので、予想外だったが、初回から楽しめた。話としては、最悪の結果から時を戻すことで、ミステリーと緩いサスペンスが生まれて、面白い構造だと思ったが、だったら教師を辞めればという気しかしなくて、そのへんの外堀を埋められたら、もっと納得感が出る気がした。芦田愛菜の長回しというか、たまに松岡茉優がツッコむワンマンライブみたいになっていたが、ちょっと負担が大きすぎないか?と思った。
ランキング情報
- どみじなランキング
- 15位
- 偏差値
- 63.7
- クールランキング
- 1位
- どみじなスコア
- 3.514
- どみじなドラマ賞
- 金鮪賞
- 最優秀男女優賞
- 俳優賞
- 場面賞
- 主題歌賞
採点グラフ
ドラマ情報
- ジャンル
- 学園ドラマ(教師)
- 放送開始
- 2023/7
- 放送系列
- 日本テレビ
- 放送時刻
- 土曜 22:00
- 主な出演
- 松岡茉優
- 芦田愛菜
- 加藤清史郎
- 松下洸平
- サーヤ
- 森田望智
- 茅島みずき
- 當真あみ
- 山時聡真
- 本田仁美
- 詩羽
- 荒川良々
- 犬飼貴丈
- 長井短
- 細田善彦
- 浅野竣哉
- 奥平大兼
- 窪塚愛流
- 藤﨑ゆみあ
- 田鍋梨々花
- 田牧そら
- 丈太郎
- 橘優輝
- 山下幸輝
2話:感想・レビュー
- 3.6
- 7/22放送分
貧乏な家庭に家庭訪問の回。鵜久さんの件から、徐々に瓜生くんの件にシフトしていって、家庭内の異様さを見せつけられた時点から、ちょっとした共感とサスペンスが発生して、惹きつけるものがあった。それを邪魔しない、話も映像もテンポの良さがあって、終盤の修羅場も、九条が介入するタイミングが丁度よくて、余韻も丁度よかった。あの生徒の演技もよくて、ギアサードをちゃんととっとくみたいな、レベル感の差によって納得感があった。ただ、ラスト際の強盗未遂お前らだろ、と、ほのめかされてるシーンは、もう少し謝罪方向のリアクションがあってもよかったのかなと思った。
3話:感想・レビュー
- 3.6
- 7/29放送分
俺なんかが私なんかがの回。なんとかしてボコりたい衝動にかられるくらい、相楽@加藤清史郎がホントに嫌いで、ということは、加藤清史郎はいい役者だった。なんでみんなコイツの言うこと聞いてるんだっけ?っていう、なんかセリフを忘れているだけかもしれないが、それでも、暴君であり圧政をしいている説得力は、立居振舞だけでも十分にあって、他の教師たち介入しなさすぎ、というイチャモンですら、スーパーキャンセルしてくれるというか。
4話:感想・レビュー
- 3.6
- 8/5放送分
居場所がなくてフワフワする回。九条先生@松岡茉優の謎につつまれた感じ、もっと言うと笑わない感じが、分かんないけど何かする、みたいなサスペンス感を発生させて、なんだかんだ惹きつける原動力になっていて、こういったパターンは、『家政婦のミタ』とか、日テレの伝家の宝刀な印象があるなと思いつつ、演出もそれに沿った感じで、カメラも動き過ぎず、じっくりと観れた。今回は大事なことを生徒が言っていたので、大人でも出てこないような発言内容とのギャップで、納得感が損なわれた面もあるが、マンネリ防止のための変化球の役割もあって、マイナスだけではなかった。
5話:感想・レビュー
- 3.4
- 8/12放送分
アーティスト王に私はなるの回。ある夢に向かって邁進している人の行動は、そうでない人にとっては奇異に見え、"調子に乗っている"とか、分かりやすいイメージのレッテルで片づけられて、区別されるというか、そうなると、自分たちと違うから叩かれがちだったり、みたいな事象への警鐘がテーマな回だと思ったが、読解力がそんなにない自分にとっては、色々繋がらなくて腑に落ちないというか、結構難解な回だったので、頭のいい人が観るなら、また違った印象になる気はした。同調圧力に苦しむマイノリティの叫び、みたいにもとれて、それが終盤のステージでの見せ場に対応すると思うので、そういう人には共感できて、刺さる気がするというか、指向性が強めな回だったのかもしれなかった。
6話:感想・レビュー
- 3.6
- 8/19放送分
三周目はない回。バカリズムに頼めば、何周でもできるよ、と思いながら呑気に観てたら、思いのほか重い回で、後頭部をバールのようなもので殴られたような、不意打ちだった。というか、前半から匂わせていたので、不意打ちでもないのだが、キャストのメタ的にそんなことはないはず、という、ミサイルが落ちてくることはないはず、みたいなのに似た、共通認識を裏切られたような、最近の作品の割には思い切ったことをするな、と思った。好きと言うのは、嫌いと言うよりハードルが高い、みたいなのは分かるし、昨今のSNSとかヤフコメとかの誹謗中傷を背景にすると、そういう風にも見えてきて、学級が世論の縮図みたいにも見えてきたり、違う気がしつつも、そう取るのは自由、みたいな懐の深さがあって、そのへんはこのドラマの美点で、まあ今回に限らないのだが。
7話:感想・レビュー
- 3.6
- 9/2放送分
責任は大人が取る回。犯人さがしに奔走する展開なのかなと思ったら、そう単純ではなく、まずは向き合うことの意味や覚悟を、大人たちも巻き込んで、問う、といった、一筋縄では楽しませてくれない、少し噛んでも美味しいけど、もっと噛むともっと美味しいみたいな、歯ごたえ、じゃなくて見応えがあった。耳障りのいい結論に従うとか、憶測で傷つけるとか、責任を限定するとか、昨今のネットやワイドショーに通じるものがあって、そういう風潮への牽制なのかなと思って観ると、味わい深さが増した。教頭@荒川良々が、真剣さと怒りと勇気を振り絞るとか、色々と納得感のある演技を繰り出してくれて、それがこの回の説得力につながった、と思った。重箱の隅をつつくと、天井を差す先生が、トゥース@春日か、イっちゃってる@ナダルなの?と一瞬思ってしまったのと、きんぴらごぼうの消費期限問題が気になった。
8話:感想・レビュー
- 3.4
- 9/9放送分
謝りたい回。途中、謝罪選手権みたいになっていたが、罪を憎んで人を憎まずの極意を見せつけるような、相楽もモジャモジャもいい仕事をしていた。冒頭に相楽がでっかい釣り針をたらして、生徒たちが食いついたのを、軽くたしなめるあたり、憶測でものを言うな、というメッセージは、前回から引き続いているので、かなり主張したいことなのかな、と思った。ラスト間際の相楽@加藤清史郎の振る舞いは、徐々にヒートアップしていく様が、許す許さないとか、話のレイヤーを飛び越えていくというか、個人技で点を取りに行くみたいな頼もしさがあって、演技演出的に見ごたえがあった。しいて言えば、鵜久森母が、知っていた割にその温度感でいいのか、という違和感はあった。夏穂@サーヤが何気に名言を吐く習性があって、「聞き流すことはできる」っていう、アラフィフの噺家みたいなセリフが最高だった。
9話:感想・レビュー
- 3.6
- 9/16放送分
どう償えばいいのか分からない回。冒頭の夫婦の会話で、強い人ほど頼らないし自ら命を……というのが、そういうことになった人の家族など、周囲の辛い想いをしている人たちに捧げる言葉のように思えつつ、あの三人組はそうできなかったので、弱いのだ、という事前の釘刺しにも取れて、まあ勝手にそう思ってるだけだが、二度おいしいセリフだったなと思った。全体的に感情のピークが多くて見ごたえがあったのだが、所々、生徒のセリフが聞き取りずらくて、外とか、あるいは教室の引き目だったりして、音声を取りずらいのかなっていうのと、感情ピークで活舌が歪んでしまったのもあって、勿体ない気はしたが、それを差し引いても、満足度は高かった。
最終話:感想・レビュー
- 3.4
- 9/23放送分
色のない世界の最終回。最終回にして、珍しくメッセージが刺さらない回に当たってしまい、人によっては刺さるんだろうけど、凡人なので刺さらなかった。生い立ちに原因はないらしいが、自転車のエピソードが生い立ちになると思うし、他人を犠牲にするというのが、秋葉原の事件とかと変わらない気がした。そこに対するメッセージなら、巻き込むな、という方向性になって欲しかった。そうではなくて、自分の本心を殺して、周りに合わせて生きている、白黒の世界の人に対するメッセージなら、愛をもって接するのも分からなくはないのだが、それ以前に、他人を犠牲にしようとしているので、あと鵜久森の件もあるし、そういう人に対するものと認識しづらくて、ちょっと濁りを感じた。終盤のテロップ的なカットを挿むのが、少し邪魔に感じて、九条先生@松岡茉優の台詞回しを堪能したいのにな、と思った。相楽@加藤清史郎が、最後まで九条って呼び捨てなのが、なんか味わい深かった。